しろくまライブラリー

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【小説】「デーミアン」ヘッセ

光文社古典新訳文庫<br> デーミアン

基本情報

タイトル:デーミアン

著者:ヘッセ

訳者:酒寄進一

出版社:光文社

カテゴリ:小説

満足度:★★★★/5

映像化:なし

あらすじ

ドイツの小さな町で暮らすエーミールは、ある出来事がきっかけでデーミアンと親しくなる。独特で謎めいたデーミアンの言葉に触れる中で、エーミールは「人間」「自己」について深く考えるようになる。

登場人物

*エーミール・シンクレア

主人公。不自由ない生活を送っているが、己と世界の在り方に疑問を抱く。ラテン語学校で出会ったデーミアンに魅せられる。

*マックス・デーミアン

エーミールと同じラテン語学校に通う少年。神秘的な雰囲気があり、年齢に見合わない冷静さ、聡明さを持っている。

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コメント 

若干10歳だったエーミールが、「自己」を追い求めながら精神的に成熟していく過程を描いたドイツ古典文学です。

扱っているテーマが難しく、読んでもよく分からないところも多いですが、この分からなさが良い。

また、最後に訳者の解説が載っており、内容について新発見を得られるのも面白いです。

…と、いかにもな態度ですが、学生時代の専攻がドイツ語だったためか、単純にドイツ文学には懐かしさと愛着があります。

昔のドイツ人学生は、人生に行き詰まりを感じるとすぐに川に飛び込もうとしますね。

ちなみにデーミアンは主人公ではないうえ、途中全く登場しません。

 

 

 

”鳥は卵から出ようともがく。卵すなわち世界なり。”

   

byふぇれっと