しろくまライブラリー

きなこわらびもち(うさぎ)と元図書館司書2匹の日常。本、映画、ご飯、色々あるよ。

【小説】「罪人の選択」貴志祐介

人はなぜ、あやまちを繰り返すのか?

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基本情報

タイトル:罪人の選択

著者:貴志祐介

出版社:文芸春秋

カテゴリー:小説

満足度:★★★/5

映像化:なし

あらすじ

*夜の記憶

 絶滅を目前にした人類と深海生物と、遠い惑星の海の底で今夜もいつかの記憶がよみがえる。

*呪文

遥かな未来、巨大な星間企業が宇宙を支配している。貧しい植民惑星「まほろば」の住民は、神を崇めるのではなく貶める宗教を持つ。

*罪人の選択

机の上には密封された自家製フグの缶詰と、一升瓶のカストリ酒。どちらかは猛毒、罪人はどちらを選ぶのか。 

*赤い雨

 海も大地も赤く汚れ、ほとんどの生物は絶滅した。遺伝子改造を施した藻類チミドロのせいだ。雨までが赤く染まり、人々は全身を食いつくされて死んでいく。

登場人物

*彼(かれ)

二十六本の触覚を持つなにか。

*金城・イシドロ・GE・黎明(かなしろいしどろぎゃらくしーえすてーとれいめい

星間企業から派遣されてきた調査員。

*磯部武雄(いそべたけお)

罪人。

*黒田正雪(くろだまさゆき)

罪人2。

*橘瑞樹(たちばなみずき)

未知の病気RAINを研究する医師。

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コメント 

今回は SF短編集、未収録で掲載雑誌も掲載時期もバラバラなものが4作収録されている。

「夜の記憶」、一度読んで、もう一度読み直したが、よく分からん。SFって感じ。

「呪文」、宗教系宇宙SFというか、神を崇めるのではなく貶める方向にいくあたりが貴志祐介。後味悪目。

「罪人の選択」この本の表題作、よく練ってあるデスゲームサスペンス。珍しく気持ちよくスッキリ読める。

「赤い雨」、荒廃した未来での面白い設定、コロナに似ているようでもっと怖い、短編集だから仕方ないけど、さらっと終わってしまう。まだこの続き見たいんですけど。子孫のお話が気になる的な。

「呪文」と「赤い雨」は、この設定をこんな短い内容で終わらせてしまうのがもったいなく感じるぐらい面白いですよ。「夜の記憶」はお腹いっぱいです。

 

 

 

”罪人は、間違った選択をするもんなんだよ”

 

byしろくま