司書の読みもの【小説】
それは本のプロフェッショナルである、司書のしろくまとふぇれっとが読んだ、好みに偏りまくった本についての感想と紹介である。
もちろんネタバレ全開だー!!
思ったことをダイレクトに表現しますぞ。
きっと誰もが、この物語の中にいる。
あらすじ
舞台は東京・三軒茶屋。大流行した感染症がやや落ち着いてきた頃。大学生の未明は、流行前の状態へ戻りつつある社会に対応しながらも、自分が何をすれば良いか戸惑っていた。
リモート授業から対面授業になり、大学の知り合いができる。偶然見つけた本屋へ通い始め、そこで出会った人とご飯へ行く。生活の変化や人との出会いの中で、未明は自分の人生への向き合い方を見つけていく。
コメント
ふぇれっとがよく読ませていただいている畑野女史。
毎度の如く前情報なしで臨みましたところ、かなり、出版の、新しい、著作でした(2023年3月)。感想には関係ありません。
物語自体は、大学生の女の子の日常を追っていくストーリーで、特別大きな事件が起こるわけではなく、比較的淡々と進んでいく印象です。前回紹介した伊坂作品のようなドラマが好きな人には、やや物足りないかも。
しかし、本作一番の特徴はズバリ「出版社」です。
不肖、小説を読んでいる最中、本の装丁をちらちら眺める癖があるのですが、作中に「トワイライライト」という店名の書店が出てきたとき、表紙を眺めて気がつきました。
本作の出版社名もtwililightなのです。
「?」と思ったら、まずは一通り読み終えてから出版社名を検索してください。
色々と腑に落ちるかと思います。
東京には知らない世界があんだなぁ。
満足度:⭐️⭐️⭐️☆☆ 3/5
本の情報
タイトル:トワイライライト
著者:畑野智美
出版社:twililight
カテゴリー:小説
ページ数:184ページ
映像化:なし
ISBN:978-4991285127
登場人物
*森谷未明(もりや みめい)
福島から上京して一人暮らしをしている大学2年生。
学業の傍ら、コンビニでアルバイトをしている。
*森谷信一(もりや しんいち)
年の離れた未明の従兄弟で、小説家。
親族の中では浮いた存在だが、未明にはよく懐かれている。
*朝川彗(あさかわ けい)
「トワイライライト」によく来ている、不思議なイケメン。
顔は良いが言動が怪しい。
”気になっていたお店に入った。それだけのことで、世界が少し変わった気がした。”
byふぇれっと